癒着は少なくなるかもしれないが・・・

4月から保険適用 治療費“7割引き”になった先進医療http://gendai.net/?m=view&g=kenko&c=110&no=17120


ゲンダイネットの記事です。
保険適用となった新技術についてコメントが書かれています。

腹腔鏡、内視鏡手術は確かに癒着の心配がかなり減りますが、癒着が全くなくなるわけではないと聞いています。

以前、ダイエー王監督の胃癌手術は腹腔鏡で行われましたが、執刀医の先生は癒着防止のために合成吸収性癒着防止バリアーを切り刻んで、おなかの中にまいているそうです。

腹腔鏡のプロ中のプロであるこの先生でさえ、癒着防止策を講じているのですから、これから手術予定のある方は必ず、担当の先生と相談して不要な癒着を防止する方法についてしっかり説明を聞いておくのがいいかもしれません。

産科・小児科をナイガシロにはできませんよ


「3Bサイエンティフィック 月刊メールマガジン vol.35」から引用させていただきます。


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2. 特集:産科・小児科に強化策、安心して子どもを産むために

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今月中旬頃、福田首相が国立成育医療センターにて小児科、産科の医療現場の先端的取り組みを視察した際、その危機的状況を理解し、財源問題をはじめ、医療態勢の強化策を来月にも策定したいとの
意向を示しました。


数年くらい前までは産科・小児科医療よりも産んだ後の子育て支援について様々な議論が交わされ、子どもを安心して「育てられる」社会を目指していた時代だったように思えます。ところがここ数年は子どもを育てられるかどうかという以前に、子どもを安心して「産める」のかどうか?というところにまできてしまいました。


世間は少子化だと騒いでいますが、実は出生数よりも産婦人科医の落ち込み数の方が激しく、産婦人科医のうち女性の占める割合が圧倒的に多いため、彼女たち自身の出産や子育てのために離職を余儀なくされているのも理由の一つです。又、彼女たちが仕事を続けるため、子どもを産む時期を先延ばしにしている事実も見逃せません。


又、男性産科医のなり手が少ないという事実があります。その前に男性自身が「産婦人科に入局してもよいのか?」という二の足をふませるような雰囲気がまわりに漂っているのは困ったものです。


私も過去にとある国立病院で出産しましたが、メインの産婦人科医(男性)の他、研修医2名(交代でどちらも男性)看護師(女性4、5名)助産師2名(うち1名は見習助産師)という、出産に総勢8〜10名の立ち会いがありました。


たぶん、こういうのはイヤだ、という人は必ずいるでしょう。でも、私はあまりそういうことは気にしない性格なのと、いたって健康体で出産時の心配はあまりしていなかったので、何か「未来の研修医の参考になり、医療の役に立てたかもしれない」という妙な自負心がありました。


女性特有の様々な症状、悩みを抱えている人の場合は女性の先生の方が何かと相談しやすいでしょう。そうしたことでも女性の産科医は俄然人気ですが、男性の産科医ももっと増えてほしいと願っています。安心して子どもを産み育てるためにも、今後、産科・小児科の充実が求められます。


国家の未来は子ども・青少年の教育にかかっていますが、医療にも同じことが言えるのではないでしょうか。つまり、産科・小児科の危機はつまり、国家存亡の危機に通じてしまうことがとっても不安になります。


そろそろMH○Wの皆さんと日本○師会の重鎮方、既得権益の維持ばかりを考えず、国家や社会の未来を考えて行動していただけないものでしょうか・・・。


さて、メルマガの引用だけではなんですから、宣伝も見てあげてください。



以下は弊社で取り扱っている出産関係の模型・シミュレータです。



◎成熟胎児モデル
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柔軟性のある布製成熟胎児模型です。


胎盤と臍帯(W43038用)
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羊膜に包まれた胎児の様子を再現。


◎ソフト骨盤(W43038用)
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柔軟性のある布製骨盤。骨盤形状の違いによる妊娠,分娩
出産時への影響を説明できます。

上記3点は弊社でも一番人気の商品、3点まとめて購入
される方も多いです。


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●妊娠モデル,スタンダード・シリーズ
http://www.3bs.jp/model/preg/l11_9.htm
子宮内の胎児の発育を5段階で表した模型です。


●妊娠骨盤,3分解モデル
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子宮内の正常な胎児位置(胎位,胎向,胎勢)の学習に
最適な妊娠9ヶ月の骨盤模型です。胎児取り外し可能。


●胎児25倍大モデル
http://www.3bs.jp/model/preg/l15.htm
約4週目の人間の胎児模型です。


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http://www.3bs.jp/model/preg/l30.htm
分娩過程で児頭が骨盤から出てくる過程を再現できる模型です。


●妊娠・分娩過程モデルセット
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妊娠中の膣触診,分娩,子宮内カテーテル挿入などの
シミュレーションを行えます。看護士,助産婦,医師を
目指す学生向けに最適です。



産科医だけでなく、助産師さんの存在も欠かせません。
今でも入院からから出産まで26時間おつきあいいただいた見習助産
(当時18歳くらいで、とても明るい人でした)の方に、陣痛時の苦しみを
ほぐしていただいたことを忘れていません。



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心筋と心膜の癒着が招く悲劇

病院・遺族控訴せず
読売新聞 - 2008年4月15日
同月22日に心臓の弁置換手術を受けた。しかし、心臓の動きが悪くなり、担当医は7月16日の2度目の手術で、心筋と心膜の癒着をはく離する際に心臓を損傷、女性は肺内出血などで11日後に死亡した。倉田慎也裁判長は「別の手術方法に切り替えるか、手術を中止する注意 ...(以下省略)


癒着のはく離って、本当にデリケートなものなんですよね。
特に心臓の手術ですから。
出血のリスクは即、命にかかわります。


心臓外科手術においては、癒着の防止策として非吸収性のシートが使われているようです。しかしながら、この"非吸収性"というのがミソで、体内に吸収されないために、いつかは再度開胸して取り出さなければならないのです。


一度入れたら、体に吸収されてしまう成分の癒着防止剤が望まれますね。

体に優しい、癒着にも効果あり!

ヒアルロン酸
http://am4-30.jugem.jp/?eid=6


C(53) 癒着防止剤としてのヒアルロン酸
http://tophand.exblog.jp/7079237/


クローン病の手術後の癒着
http://cduc.blog56.fc2.com/blog-entry-315.html


ヒアルロン酸TIMP-1、血小板数で構成される3変数モデルを用いることで慢性C型肝炎患者の肝硬変を正確に同定しうる
http://www.biotoday.com/view.cfm?n=25460&ref=rss


ヒアルロン酸の注射でシワを取る
http://jesuschristpose.com/020/post_3.html


実は、ヒアルロン酸が始めて成分として認識されたのはけっこう古い話なのです・・・
http://masaaff.at.webry.info/200804/article_39.html


ヒアルロン酸ヒアルロン酸ヒアルロン酸アンチエイジングは切り離せない
http://natural8treasure.blog119.fc2.com/blog-entry-233.html


ヒアルロン酸と人工皮膚オーラスキン
http://yaeyama.269g.net/article/9915776.html


ヒアルロン酸の効能
http://hiallon-san.blogspot.com/2008/01/blog-post.html


ヒアルロン酸
http://biyoutrend.blog.shinobi.jp/Entry/15/


アンチエイジングは最近では多くの化粧品のセールスポイントですが・・・
http://karada-kenkouseikatu.seesaa.net/article/76705490.html


ヒアルロン酸の入っている化粧品を手にされたことのある方は多いと思います
http://n-sat19.seesaa.net/article/88605065.html


☆癒着防止材としての役割、しっかり認識したいですね。

心臓再手術でも癒着が問題です

心臓再手術損賠訴訟:金沢大医学部付属病院医師の過失認定−−地裁判決 /石川
 ◇4900万円支払い命令

http://mainichi.jp/area/ishikawa/news/20080401ddlk17040476000c.html


 金沢大医学部付属病院で98年、心臓手術を受けた直後に死亡した七尾市の女性(当時56歳)の遺族が、手術ミスが原因として同大を相手に約5600万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が31日、金沢地裁であった。倉田慎也裁判長は「中止すべきだった再手術を、担当医が漫然と続けた点に過失がある」と認定し、約4900万円の支払いを命じた。
(中略)

判決は再手術について、「手術を続ければ心膜と癒着した心筋を傷付ける危険は予見できた」と指摘。「心筋の損傷で大量出血を招き、状態が悪化して肺内出血を生じさせた」と、死亡との因果関係も認めた。
(攻略)


心膜と心筋の癒着が、結局心筋の損傷を招いてしまうこともあるのです。確かな癒着防止策が望まれます。


患者さん側にも、医療関係者にも悲劇が起こらないために。
癒着撲滅に向けて、皆さん行動しましょう。

術後の癒着防止、専門家の意見


毎日新聞 2008年3月28日 東京朝刊より
http://mainichi.jp/select/science/news/20080328ddm013100154000c.html


内容から簡単にまとめてみますと・・・

  • 仕組み不明の合併症で、患者の6割が発症してしまう
  • ストレスを避け、食事にも注意
  • 術後の適度な運動で、腸の動きを改善


癒着についてのわかりやすい説明を引用させていただきます。

 おなかの中にある胃や小腸、大腸、肝臓、胆のう、ぼうこうなどは腹膜という薄い膜で覆われている。腹膜が手術や腹膜炎などによって傷つくと、腸管と腹壁や腸管同士がくっついてしまう。この状態を癒着と呼ぶ。

 開腹手術を受けた患者の6割以上が腸管癒着に陥るとされる。状況によっては消化管の通過障害が発生する。癒着を防ぐ技術や医療材料が工夫されてはいるが、完全に防ぐことは不可能だ。

 白龍湖病院(広島県三原市)の小林直廣院長(総合診療科)によると、手術後3週間ごろが最も症状が進む時期で、以後は徐々に軽くなっていくのが一般的だ。しかし、最終的にくっついて離れなくなる部分ができてしまう場合もあり、それによって腸管が完全に詰まると腸閉塞となる。2年間経過しているなら、癒着の自然治癒は期待できないという。


腸閉塞を繰り返すと再手術となるケースも少なくありません。その際、重度な癒着がある場合には、はく離操作に時間がかかり、かつ腸管(血管)を損傷してしまうリスクもあります。


一方で、癒着防止の技術もあります。

  • 腹腔(ふくくう)鏡を使った鏡視下手術
  • 腹膜の損傷部と腸管の癒着や腸管と腸管の癒着を防ぐ特殊なフィルムを張る
  • 体内に吸収される「吸収糸」の使用


これらのおかげで、再手術による癒着の可能性はかなり軽減されているそうです。


また、新しい予防薬の開発も進められています。これまた引用・・・

兵庫医科大の中西憲司教授(免疫学)らのグループは、マウスを使った実験で、HGF(肝細胞増殖因子)を注射することによって、腸管癒着を予防することに成功した。

 中西教授は「癒着の仕組みはまだよく分かっていないが、予防薬として5年以内に臨床試験を始めたい。すでに癒着が完成してしまった場合は、癒着の悪化を招く血栓ができやすいような生活はよくない。ストレスを避けて、適度な運動などで腸の動きをよくする工夫をしてほしい」とアドバイスしている。


薬で癒着が防止できる日はやってくるのでしょうか。
まだまだ先の話ですね。

業務上過失致死と医師法21条違反


産婦人科医に禁固1年、罰金10万円を求刑
大野病院事件、業務上過失致死と医師法21条違反で

http://www.ohmynews.co.jp/news/20080321/22400

福島県立大野病院産婦人科で2004年12月、帝王切開手術を受けた女性が出血多量で死亡し、執刀した同院産婦人科医の加藤克彦医師が業務上過失致死と医師法21条違反(異状死の届け出義務)に問われた事件で21日、論告求刑があり、検察は「産婦人科医として基礎的な注意義務を怠った執刀医の責任は極めて重い」として、禁固1年、罰金10万円を求刑した。

(中略)

その上で、求刑の理由として、
 「(用手剥離の)手指が入らないほど強い癒着胎盤だったのに、クーパーを使って無理な胎盤はく離を10分以上にわたって続け、次々とわき出るような出血を起こさせたのは、医師として基礎的な注意義務違反である」

 「癒着胎盤の無理な剥離には大量出血のリスクがあるので、直ちに子宮摘出すべきというのは産婦人科医として基本的な知識。大量出血を予見する事情は多数存在したのに、回避しなかったのは、被告は医師として安易な判断をしたといえる」

と、加藤医師の判断ミスを断定した(以下省略)。


癒着胎盤というものがあるのですね。


どの部分においても、むりやりくっついているものをはがしたり、あるいはくっついているべきでないものをはがすという操作には、大きなリスクがあるものなのでしょうか。


癒着を防止するすばらしい、新しい手法・治療法の登場が待ち望まれます。


産婦人科でこのような先例が起こってしまったことはとても残念です。


そうでなくても、産科・小児科の危機はもう止められなくなってしまう勢いなのです。


もっと長い目で見て、緊急に対策を実行して欲しいです。